よくある目の病気
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近視
近視は最も多い目の病気です。網膜の調節機能が上手くいかずに遠くが見えにくくなってしまいます。
通常は眼鏡やコンタクトレンズで矯正を行うことが多くなっておりますが、近年ではレーシック手術やオルソケラトロジー(夜間のみコンタクトレンズで日中は裸眼で過ごすことが可能)などの矯正方法も出てきています。
ただし、レーシックもオルソケラトロジーも自由診療となるため高額な医療費が必要になります。
黄斑変性症
黄斑変性症は見ようとするものが歪んでしまったり、視界の中心がぼやけてしまって視界が狭くなります。
普段は両目で生活をしているのであまり気になりませんので、確認する際は片目ずつ確認します。
50歳代くらいから発祥しやすくなり、進行すると徐々に視力が低下していき、最悪失明してしまうこともありますので早めに診察にいらしてください。
糖尿病網膜症
糖尿病と診断されてから5~10年後に発症することが多く、コントロールの良い方にも発症しますので、定期的な健診が必要です。コントロールがかなり悪い方でも最初の数年間は発症しにくいのですが、ひとたび発症すると、それまでのつけが一気に回ってきたかのように、それこそ“坂道を転げ落ちるように”どんどん進行して失明に至ることも少なくありません。実際、成人中途失明の主要な原因となっています。
この病気の基本的な治療は、血糖のコントロールであり、日頃からの地道な治療が最も大切です。眼科的に網膜のレーザーや硝子体手術といった治療法がありますが、これらはかなり進行した場合に進行を少しでも抑えるために行われるもので、ひとたび視力が障害されると、回復しにくいこともしばしばです。網膜症などの合併症が出現してから血糖コントロールをまじめにやろうとする方もいらっしゃいますが、これらの合併症はある程度進行すると血糖コントロールが良くても勝手に悪くなりますので、合併症が悪くならないうちに血糖コントロールを改善することが重要です。
糖尿病自体に自覚症状が早期には出ないのと同じように、網膜症においても、かなり進行するまで視力低下などの自覚症状は乏しいため、“まだ見えるから大丈夫”という自己判断は無意味なばかりでなく、危険ですらあります。
経験上糖尿病網膜症の進行し易い人は、食事制限の不十分な人(制限カロリー数をきちんと管理できない人)、内科や眼科への通院をたびたび中断する人、眼科の検診を受けない人、糖尿病罹患年数の長い人(10年以上)などで、特に40~50歳代位の比較的若い方は要注意です。
特に、ある程度以上進んだ状態にあると判断される場合、適切なレーザー治療を行うためには蛍光眼底造影によって網膜の血管や血流の状態を確認することが重要になります。
飛蚊症
飛蚊症とは視界に糸くずや黒い影、蚊のようなものが動き回っているように見える症状です。
特に明るい場所で白いものや空を見たときに現れます。飛蚊症自体には目の機能に問題は無く、多くの場合は加齢によって発生します。
ただし、網膜剥離の初期症状や糖尿病網膜症の症状として現れることもありますので受診をおすすめします。
アレルギー性結膜炎
花粉やほこりが原因となって起こる目のアレルギーのことをアレルギー性結膜炎といいます。
症状を引き起こす原因物質をアレルゲンと呼びますが、特に建物の中にあるほこりはハウスダストと呼ばれています。
近年、このハウスダストによるアレルギー患者が急増しています。花粉が原因の場合は春に起こりやすいなどの季節性がありますが、ハウスダストは年中あるためいつ発症してもおかしくありません。
このハウスダストを原因物質とするアレルギーを「通年性アレルギー」と呼び、花粉症とは区別されています。
結膜は外からの刺激や異物にさらされやすい組織で、涙などでいつもぬれていますので、ハウスダストや花粉が付着しやすく、アレルギーが起こりやすくなります。
【予防法】
花粉が原因の場合はゴーグル型の眼鏡や花粉防止用のマスクの着用が最も効果的と言われています。洗濯物を取り込む際にはしっかりと花粉を払ってから取り込むことで室内に入る花粉を減らすことも大切です。
ハウスダストが原因の場合はまめに掃除を行い、ハウスダストを減らすことが大切になります。床はしっかりと掃除機をかける、家具などはぬれた雑巾で拭く、エアコンのフィルターを水洗いするなどお部屋をキレイに保つことで予防することができます。
また、換気をしっかりと行ってダニ・カビを増やさないようにすることも大切です。
【治療法】
主に抗アレルギー薬という目薬の点眼で治療を行います。これはかゆみやくしゃみなどを引き起こす指令を伝える物質が細胞から血液に出てこないように抑える薬です。症状が強い場合は、副腎皮質ステロイド薬も使用することがありますが、緑内障などの副作用が現れることがあるので使用には注意が必要となります。